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鏡の中から…
第12章 愛しき日々
夏海は…その康太の愛を受け止め…
胸に納めた
感謝してもしきれない…
無償の愛を…受け止める
夏海は気を取り直して康太に報告せねばならぬ言葉を続けた
「お婆様は…我が子の一歳の誕生日を迎える前に…旅立ちました」
夏海は…
お婆様が…息を引き取った事を告げた
康太は「そうか…逝ったか…」と呟いた
夏海の子供が産まれてからのお婆様は、日々根回しに忙しかった
神楽の屋台骨を解体する様な出来事だから…その苦労は…計り知れない
能無しの一族は躍起になって、われこそは…と名乗りを上げた
それを鶴の一声で…黙らせたのが
飛鳥井家 真贋 飛鳥井康太だった
最初は一族に関係ない者は黙れ!
等と…文句を言っていた親族を黙らせ
次代の後継者は神楽凰星
その後見人は神楽 春海
神楽は此より100年続く英華を保証された
と、言われれば…誰も反論は出来なかった
根回しをして
体を酷使して…
お婆様は…眠る様に…
永眠した
91才…春の夜の出来事だった