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鏡の中から…
第14章 またね


雅龍は夏海の頬を、両手で挟み

「頼むから…我と共に尽きてくれ」

と、哀願した

「当たり前じゃない!」

夏海は元気に笑い飛ばした

「雅龍!私を護りなさいよ!
何があっても離さないで掴んでおくのよ!」

夏海の檄が飛ぶ

夏海らしさに…雅龍の瞳から…

熱い雫が…零れて…流れた

「離さない…この命が尽きても…
絶対に…離しはしない…」

その言葉を受けて

夏海は華やかに笑った

「雅龍、私は悔いなんか遺してない!
私は、私の信じた道を逝く」

その瞳は揺らぎない

強い光を放ち

前を向いて進む

「夏海…我はお前と出逢えて…」

本当に良かった…と言おうとした

その言葉の先を遮り

夏海は立ち上がった

「雅龍、ボケボケしてる時間はないのよ!」

甘い時間の終わりを告げる

雅龍は降参して…

夏海を抱えて浴室に向かった




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