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鏡の中から…
第14章 またね


礼二の目の前に

純白のドレスを着た夏海が立っていた

レースをふんだんにあしらったドレスは

香住が我が子の為に、作ったものだ

香住の…母の想いを一心に込めたウェディングドレスだった

夏海の遺された時間が…残り僅かと聞いた時に…

香住が作り始め、夏海も手伝ったドレスだった

夏海も想いを込める

何時か…

我が子が…花嫁を貰う時

このウェディングドレスを着て式を挙げて欲しい。

願いを込めた

何時か…

その時を見られないのは…

辛い

だからこそ、想いを込めて、一針一針縫った

そして出来上がったのが…

夏海を着ているドレスだった

ウェディングベールは、康太から届いた

蚕から紡いだ絹の糸で織り成した…レースはキラキラと光輝き…

とても美しかった


康太はこの日を詠み…特注で織り上げし逸品だった

夏海はそんな想いのこもった

ウェディングドレスに身を包み

誰よりも艶やかに

笑っていた



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