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鏡の中から…
第5章 伴侶の儀式
すやすや…寝息を立てる夏海を
この夜も雅龍は見つめていた
危なっかしい
だけど、先を見る目は誰よりも確実で
頼もしい
今まで…出逢った人間とは全然違う
神楽 茜…
初めて…目にした人間
茜は…神楽の土地で暴れし龍を封印した
封印し、使い魔にした
茜になら…そう思ったのに…
人の寿命は…雅龍より短く…
雅龍を置いて旅立つ
茜を失った日
雅龍は…神楽を離れる気でいた
だけど…茜のいた神楽に留まった
何故かは解らない
そんな事すら…忘れてしまう程
永らくの時を生きてきた
此処 最近は…能力者も生まれず…
神楽は終わると想っていた
そうすれば…
雅龍は黄泉へと渡り…魔界へ還る
そうしようと想っていた
なのに…
夏海と出逢った
自己主張の強い…夏海に…