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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第5章 おうさま
「ん、は、」
蝋燭に照らされる影が二つ、ゆっくりと起き上がってひとつに重なる。
ぬるりと侵入する舌は熱く甘い。向かい合って抱き寄せて深く口付けするジバル様は、夢の中とは違ってガラス細工を扱うように丁寧に私に触れる。
そっとナイトドレスの胸元の紐を解くと、片手を滑り込ませるだけで腰まで落ちてしまう。外気に触れる乳房の先端はもうすっかりツンと勃ち上がって、敏感になったそこを触れてくれないかと思うけれど、彼は素肌の感触を味わうように脱ぎかけた服のまま私の体をまさぐる。
「あ、……ジバ、ル様……」
大きな手のひらが背中を、腰を、肩を流れる。私の形を確認するように体中を這い回り、口付けを交わす彼の呼吸が次第に上がってくるのを感じた。
私は手を伸ばして脱がしかけの彼の服のボタンを外していく。見えなくて、手探りのまま彼の体に手を彷徨わせると、開いた胸元の硬い筋肉を直に触れてしまい、その張りと熱さにどきりとした。
(すごい……)
本当は私なんて易々と抱き潰せてしまえるであろう力強い体に、思わず魅了された。
「はあ……、ミア」
お互いの唇の間につうと銀色の糸が通る。熱くて太い舌先でまた私の唇をべろりと舐めると、息苦しいように私が脱がしかけていた自分の服を一気に脱ぎ捨て、獰猛な獣のように隆々とした逞しい筋肉に包まれた体が露わになった。
淫欲に浮かされた様子のジバル様は鬱陶しそうに前髪を掻き上げ、私を見つめると眩しそうに目を細めてからそっと手を引き、抱き寄せる。
お互いの肌と肌が密着する。熱くじんわりと汗ばんだがっちりとした体に触れると吸い付くようで、触れているのが正解とばかりに心地よさを生む。私は甘いため息を漏らした。
「あ、」
彼はそのまま私の頬に、耳に舌を這わせ、口付けを落としていく。耳元でちゅっと音がするとゾクゾクとして、その舌が首筋を舐ると花芯が硬さを持つのが分かった。片手は私の体を支え、もう片方は器用に腰に引っかかっていたナイトドレスを脱がしてしまう。前は自分から脱いでみせたというのに、今は下着一枚だけになっただけで恥ずかしい。
「あ、……ジ、バル様……」
「恥ずかしいか?」
コクンと頷くと、彼は低く笑って蝋燭の明かりが届かない布団の中に入れてくれた。
彼のにおいに包まれていると、ジバル様がベルトを外して入ってくる。