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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第2章 連れられて身代わり


私も十七歳だし、さすがにそんなことくらい分かる。けれど今までは生きるのに精一杯、兄の監視もあってそういう行為や恋愛とは縁がなかった。

裏路地に一歩足を向ければ、昼からでも安宿から漏れる甘い女の息遣いやギシギシと軋むベッドの音が何を意味しているかくらい知っている。それをまさか、自分がやるなんて想像もできなかったけれど。

痛いくらいに掴まれた手の熱さに気づけばなおさら、これから起こることに今日一番の覚悟を決めなければいけないことは明らかで、恥ずかしさと恐ろしさで叫んで逃げ出したい気持ちをどうにか圧しとどめる。


「来い」
「えっ」


その体がソファーから急に立ち上がり、連れてこられた先はやはり寝室だった。
ほとんど放り投げられるようにしてベッドに倒される。

これから起こることを覚悟して震える両手を隠すように握りこんでいると、のしかかってくるのかと思っていた王様はあっさりとベッドの端をまわって、枕元に置いてあるチェストから慣れた手つきで何かを手に取った。


「お、王様……?」


私に向き直ると手荒に目隠しをされた。予想外の展開に何が始まるんだとあたふたしても、彼は一切答えず両手も何かで拘束されてしまった。と思ったら次の瞬間には寝転がされて、さっさと頭上に繋がれる。その扱いはまるで動物を鎖で繋ぐように事務的で、私は頭が真っ白になる。

ものの数秒の間に、気がつけば私は視界を塞がれ、両手の自由を失っていたのだ。


(ど、どういう展開なのよ、これ……っ! もしかして、王様やお姫様の間ではこれが普通とか? いやまさか。え? まさか本当に?)

けれど否定しようにも、自分は行為自体を見たことはないのだ。知識として繁殖行為を知ってはいるけれど、前戯としてこうするのが普通だ。と誰かに言われれば納得せざるを得ない。

(え? でもまさか本当に?)


「王様? あ、あの……」


声をかけても返事はない。

しばらくの沈黙に絶えられずにもう一度声をかけようかと思っていると、食器を重ねるようなカチャカチャと音がしたと思ったら、遠くでパタンとドアが閉まる音がした。


「え……、え?」

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