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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第1章 プロローグ
ガクガクと揺さぶられて、まるで玩具か人形にでもなったかのような錯覚を受ける。
いや、もしかすると自分は玩具になったのかもしれない。人を守るため、助けるためとはいえ自分自身をこの男に捧げたのだ。どう扱われても決して文句は言えない。
「……、ッ」
その時はじめて自分の喘ぎ声に紛れて、彼の荒い息遣いが聞こえた。
一段と中で暴れまわっている猛りが大きくなったと思ったら、瞬間、獣のような呻き声と共に、熱い迸りがビュルビュルと内奥に叩きつけられるのを感じた。
「あ……あ、つ……」
入り口では楔の根元がなお、ビクビクと痙攣しているのを感じ取り、その動きがじわっと微かな快感を生む。
ずるりと引き抜かれたあとも下の口はその大きさに慣れてしまったかのように、ぱっくりと淫猥な洞窟を開いたままだ。
トロトロと粘液が流れ出すので感じ取った。そのはしたなさに内心は地中深くに潜ってしまいたい衝動に駆られたけれど、自身の体力は既に限界を迎えていた。
行為が終わってすぐに遊び飽きたのか、一切触れてくる様子のない男の気配を近くで感じる。
今まで生きてきて想定していなかった初夜に呆然となりながら、いまだ見えない視界で真っ暗な世界を見つめながら、頭に浮かんだのはただ一人の肉親だった。
(兄さん……)