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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第3章 うそつき
「っ!」
ふいに頬を擦られてゾクリと脊椎に甘い痺れを感じた。こみ上げる期待感に、しかし王様はそのまま身を引いてソファに戻ってしまう。ぽかんとしていると彼は自分の頬を指した。
「備蓄室の掃除ご苦労」
「あ、……う」
その仕草と口調で埃か何かがついていたのだと気づく。私は様々な意味での恥ずかしさが一気に押し寄せて、逃げるようにして部屋を後にした。
ほんの少し頬に触れられただけなのに、花弁は疼いて甘露を滴らせ、下着を濡らしているのが自分でもはっきりとわかった。いつの間にこんなにいやらしい体になったのだろう。
動揺する心を振り払うように、一日中掃除に熱中した。
その日も、次の日も、その次の日も、王様は私を抱かなかった。
それなのに日中や夜にお茶を運べば彼は変わらぬ態度で、どこか仄かな優しさまで見せてくるものだから、私の下品な部分は疼いて仕方がなかった。
最初は体をいくら乱暴に扱われても我慢していた。心では逃げたいくらい嫌だったはずなのに、いつの間にこんなにもその行為を求めるようになってしまったんだろう。自分の変化が恐ろしくて、また日に日に募るもやもやが私を苦しめた。
満たされない欲求に、ベッドで何度も寝返りをうつ。
大きい手の平と、長く節くれだった指。あの大きな手に触れてほしい。昼間盗み見るように書類を持った何気ない王様の手を思い出すと、腰が切なく痺れた。
「……ん」
長く太い指で焦らすように体の隅々まで触れて、温かな息を吹きかけて唇を奪ってほしい。
荒っぽくていい。容赦なく私の体に長大な熱い猛りを打ちつけて、大量の精を最奥に放ってほしい。
「おうさま……」
――その日、私は初めて王様の夢を見た。
ふいに頬を擦られてゾクリと脊椎に甘い痺れを感じた。こみ上げる期待感に、しかし王様はそのまま身を引いてソファに戻ってしまう。ぽかんとしていると彼は自分の頬を指した。
「備蓄室の掃除ご苦労」
「あ、……う」
その仕草と口調で埃か何かがついていたのだと気づく。私は様々な意味での恥ずかしさが一気に押し寄せて、逃げるようにして部屋を後にした。
ほんの少し頬に触れられただけなのに、花弁は疼いて甘露を滴らせ、下着を濡らしているのが自分でもはっきりとわかった。いつの間にこんなにいやらしい体になったのだろう。
動揺する心を振り払うように、一日中掃除に熱中した。
その日も、次の日も、その次の日も、王様は私を抱かなかった。
それなのに日中や夜にお茶を運べば彼は変わらぬ態度で、どこか仄かな優しさまで見せてくるものだから、私の下品な部分は疼いて仕方がなかった。
最初は体をいくら乱暴に扱われても我慢していた。心では逃げたいくらい嫌だったはずなのに、いつの間にこんなにもその行為を求めるようになってしまったんだろう。自分の変化が恐ろしくて、また日に日に募るもやもやが私を苦しめた。
満たされない欲求に、ベッドで何度も寝返りをうつ。
大きい手の平と、長く節くれだった指。あの大きな手に触れてほしい。昼間盗み見るように書類を持った何気ない王様の手を思い出すと、腰が切なく痺れた。
「……ん」
長く太い指で焦らすように体の隅々まで触れて、温かな息を吹きかけて唇を奪ってほしい。
荒っぽくていい。容赦なく私の体に長大な熱い猛りを打ちつけて、大量の精を最奥に放ってほしい。
「おうさま……」
――その日、私は初めて王様の夢を見た。