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偽りの身の上〜身代わりの姫君〜
第4章 孤独な牢獄
「……え?」
空いてる方の手がすっと私の腰に触れ、スカート越しに腰から骨盤、尻を撫でるように滑らせていく。
「は、ハイネっ」
彼を止めようにも、その手はすぐにスカートをたくし上げてその奥の下着に触れる。
その奥の王様と私しか知らない秘処が、どこかこの先起こることを期待するようにぐぐっと顔をあげはじめた。
私の本能を嗅ぎとったように、ハイネは食いつくように舌でベロリと私の首を舐めあげる。
ゾクゾクする感触に声を上げることすら忘れて体をこわばらせると、彼の指が下着の上から遠慮なくその窪みに指を沿わせると、ふにふにと感触を確かめるように摩る。
「あっ」
自分でやるのとは違う。けれど王様とも違うゾクゾクする感覚に、既視感を覚えた。ユーリだ。
「――いやっ!」
「!!」
気づけばハイネをユーリの様に力いっぱい押していた。ユーリほどの距離は取れず、けれど驚いた様子の一瞬の隙をついて、私はすぐに走り出して脱兎の如く部屋を出た。
「きゃっ」
息を切らせて階段を走り降りると、そこで何かに思い切りぶつかった。ハイネが追いかけて来ないかに気がいって、前を見ていなかったのだ。
勢いよく弾かれて尻餅をつく。
「あいたっ……お、王様!」
「ミア……?」
最初は黒い壁かと思ったが、よく見れば三冊ほどの分厚い本を抱えて王様が立っいた。
彼は吃驚した顔をして手を差し出す。
「どうした」
「えっ、あっ……いえ」
背後からハイネが来る気配はない。
その手に助けられて立ち上がると、急に王様もハイネの言う私の「メスのにおい」を嗅ぎとっていたらどうしようと不安が過ぎった。
それはまるで性器を晒して歩いているのと同義ではないか。
そう考えると急に頭に血が上っていくのを感じて、すぐにでも部屋に戻りたくなった。そして体を隅々までよく洗ってしまいたかった。それでメスのにおいとやらが消えるかはわからないけれど。