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エンブレム──奴隷契約編
第8章 服従の日々


それなりの覚悟をしてきた麻美にとって田島の言葉はまさに想定外だった。

確かに頭を踏みつけられはしたが、昨日受けた辱しめに比べればそれは十分耐えれる範囲だった。


「本当に……帰ってもいいんですか?」


困惑した麻美は数度聞き返したが、田島は笑みを浮かべ「ああ、いいとも」と返すばかり。


結局、麻美は田島に言われるがまま指導室を出ていった。

もちろんこれは、田島の気まぐれでも“お情け”でもない。
計算された“躾”の一環である。


事実、わずか数分で田島から解放されたにもかかわらず麻美の顔には安堵の色が無かった。


練習中の圭介を眺めている時も、圭介と並んで帰る時も、そして家に帰ってからも、麻美の頭の中は田島から言い渡された課題の事で一杯だった。


「答えを間違えれば叱られるかもしれない」


田島が側にいなくても麻美はその恐怖を感じずにはいられなかった。


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