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エンブレム──奴隷契約編
第8章 服従の日々




翌日、麻美は一人で生徒指導室を訪れた。


「ご主人様、今日も奴隷の私を可愛がってください」

椅子に座る田島を見るなり麻美はその場に膝まずき、昨日教わった通りの挨拶を済ませた。


「答えは出たか?」


土下座の麻美を見下ろし、田島はぶっきらぼうに問いかけた。


どうすれば俺が一番喜ぶのか?───


麻美はこの課題を昨日からずっと考えていたが、まるで答えがわからなかった。

「丸一日考えましたが、私にはわかりません……」


床に額をつけたまま、麻美は正直に答えた。
罰を受けるのも覚悟のうえだった。

しかし、麻美の返事を聞いた田島は怒るどころかケラケラと機嫌良さそうに笑い、麻美の頭を丁寧に撫でまわした。


「そうか、丸一日考えていたか。そうかそうか、偉いぞ麻美」


「は、はい。丸一日考えましたがわかりません……。お許しくださいご主人様……」


「許すも何も、立派に答えが出てるじゃないか。それでこそ俺の奴隷にふさわしい」


「え……?」


昨日に続き今日も温厚な態度の田島に麻美は驚いた。
二日前に見せた威圧的で暴力的な田島の姿とはまるで別人のようだったのだ。

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