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エンブレム──奴隷契約編
第8章 服従の日々
「どういう意味ですか?」
麻美は尋ねた。
「わからないか?お前は昨日から今まで丸一日俺からの質問の答えを考えていた。つまり、一日中ずっと俺の事を考えていたわけだ。これこそお前の使命であり、俺が一番望んでいる事なんだ」
それは嘘偽りの無い、田島の純粋な気持だった。
恋の告白のようにも聞こえるが、田島が求めているのは麻美との恋愛でもなければ若々しい肉体でもない。
麻美の心を支配する事、つまり“絶対服従”させる事こそが田島の目的なのだ。
「麻美、立ちなさい」
「は、はい」
田島の言葉に従い、麻美はスッと立ち上がった。
昨日に続き今日も温厚な態度の田島を前に、麻美の表情には安堵の色が見てとれた。
「今日も何事もなく帰れるかも」と、麻美は思っていた。
「麻美、上だけ裸になれ」
「え?」
油断していた麻美は思わず田島に聞き返してしまった。
鬼の田島に戻ったのはその時である。
バチンと音がした瞬間、麻美は左頬に激痛を感じた。