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エンブレム──奴隷契約編
第2章 迫る狂気


ゴールデンウィークが終わった初夏の夕刻、いつものように麻美と圭介は手を繋いで校門に向かっていった。

それを見た田島は「いよいよやるか」と、軽く武者震いをした。


「柴田!ちょっと待て!」

間近に迫った二人に向かい、田島は大きな声で怒鳴りつけた。


「え?お、俺っすか?」


田島に呼び止められるような事などまるで心当たりの無い圭介はキョトンとした表情で田島を見つめた。

「そうだ、お前だよお前。ちょっとついてこい」


「いや……でも彼女が……」と、圭介は心配そうに立っている麻美に目をやった。


「ふん、ちょうど良い機会だ。麻美、お前もついてこい」

「えー、私もですか?」


鬼の田島に逆らえるはずもなく、麻美と圭介は渋々と田島の後についていった。

二人が連れて行かれたのは校舎の一階にある「生徒指導室」。

そこは素行に問題のある生徒や校則違反をした生徒に説教するためにある田島専用の部屋だった。

四畳半ほどのスペースに田島のデスクと椅子、そして生徒用の簡素なパイプイスが二つあるだけの殺風景な部屋だ。


「まあ座れ」


部屋につくなり、田島は機嫌悪そうにパイプイスを二つ差し出した。


「実はな、昨日我が校の生徒らしき坊主頭の生徒達が駅前で喫煙していると匿名の通報があった。それがどうやら野球部の生徒らしい」


もちろんこれは田島の作り話だった。

だが野球部キャプテンの圭介は敏感にこの話に反応してしまった。


「な、なんで野球部だって分かるんですか?ウチの部にそんな奴はいません!」

「そんな事言ったってお前、坊主頭はお前ら野球部しかいないじゃないか」


「そんな話嘘です!ありえません」


顔を真っ赤にして反発する圭介を見て田島はニヤリと笑った。


「ああ、お前らがそんな事しないのはわかってるよ。ただほら、俺も生活指導って立場があるからさ。一応形式的に野球部員の持ち物検査をしてるんだ。今日はお前で三人目だよ」


「ああ……なんだ、そういう事でしたら」


圭介は自身たっぷりに自分のカバンを田島に手渡した。


「すまんな圭介。これも仕事なんだ」


田島は笑顔でカバンを受け取り、無造作に手を突っ込んだ。
鬼の田島に戻ったのはその直後だった。
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