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Short Cake〜官能短編集〜
第3章 チェリーパイ

「おはようございます若社長。
本日の予定なんですが、××社との会食と開発部とのミーティングが入っております。
ミーティングの時間は15時ですが不都合はございますでしょうか?」

「おはよう藤岡君。
15時で構わないよ。
それよりいつも予定を確認するのは席についてお茶を飲みながらで良いって言ってるじゃないか…」

「若社長!!いま何時だと思ってるんですか!」

「何時って…9時?」

高そうな腕時計をみると爽やかに答える。

「11時です!!!」

いくら若社長とは言っても社長出勤もいいところだ。

就職と同時に秘書課に配属になってから4年。
わたしが仕事にも慣れてようやく一人で働けるようになった頃。

アメリカの大学を卒業して帰国した彼、若宮朔弥はその後直ぐ父の経営する会社の若社長として働き始めた。

可愛らしいルックス
180㎝を超える高身長
ワイシャツから覗く程よい筋肉
それにこの人懐っこい性格ときたら、
世の女性たちも放って置かないのだ。

毎日こんな遅く出勤するのも、
毎晩若い女性たちに囲まれて遊んでいるからだ。
その証拠に毎日違う香りを纏ってきたり、
首筋にキスマークが残っていたり…

彼の元について2年、いちいち突っ込むのももう疲れてしまった。

「藤岡君?そんな眉間に皺ばっかり寄せてたら、綺麗な顔が台無しだよ??」

顔をぐっと近づけてわたしを覗き込むと、
そっとわたしの眉間に指を当てる若社長。

「なっ!!はなしてっください!!」

「あはは、真っ赤〜!」

人懐っこい笑顔でわたしの頭をポンポンと叩く。
こんなささやかなボディタッチも彼の癖。
いちいち気にしてちゃダメだってわかってるけど…

気にしていないふりをして若社長から少し離れた席に座るけど、
高鳴る胸は抑えられない。


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