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捨て犬
第14章 食べたい?
エミの表情は
相変わらず硬い


当り前だ

俺にだって
笑顔はたまにしか
見せないんだから


萩原には
無愛想な女だと
思われただろうな


ま、そんなの
気にしね~けど


「エミちゃん仕事してんの?」


エミが俺をチラッと見る


「いや、今はしてね~よ」


「ふ~ん・・

あ、時間だ
俺、用があるから先に行くわ
またね、エミちゃん」


「・・はい・・」


「じゃ、また連絡するよ」



萩原は
バタバタと店を出て行き
ドアが閉まった瞬間
エミが大きく息を吸った


「大丈夫か?」


「・・うん・・」


「俺の知り合いに会ったの
はじめてだもんな?」


「すごく・・緊張した」


実は俺もだ

ラーメンの味が
全く分からなかった





それから少しして店を出て
2人でブラブラと散歩をした


「エミさぁ
人と話すの苦手?」


「…うん……」


「それってさぁ
内緒にしなきゃいけない事とかがあるから?
それとも…
ま、ふつうに人見知りって事?」


「ん…
いつからこうなったのかも
覚えてないから…分からない」


高校ほとんど行かずに
他人と接触することも
あんまり無かったんだろう

中学だって
行ってたみたいだけど
友達と遊んだりして無いのかもしんねぇ


孤独…

だよな…


今だってそうだ

話すと言ったら
相手は俺だけ


ずっと家で
留守番なんてさせないで

ちょっとずつでも
他人と接するように
させた方がいいのかな…


隣りで歩く
小さなエミを見ながら

俺は
そんなことを
思いはじめていた







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