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捨て犬
第16章 もう言うなっ
分かるよ

ちょっとだけだけどさ

分かるんだ


親が突然居なくなって
なんとも言えない
恐怖とか不安に襲われた時
現実逃避できたのは
セックスしてる時だった

だから
女ばっかあさって…



エミが買ってくれた
ビールが飲みたい

すげー腹減ってて
飯も食いたい



でも
エミを
違う世界に連れて行って
やりたくて

俺は
エミの胸に触れ

そして
首筋に舌をはわせながら
エミのシャツの中に
手を入れた


「カズマ・・・カズマ・」


「ん?・・・
どうした・・・エミ・・」



「あの・・・
セイリダカラ・・・」



あっ・・・忘れてたぁ~


「俺、気にしね~から・・
っちゅっ・・くちゅっ・・」



「んっ・・だ・・
ん・・でも・・・」



「ごめんな、うそだよ。
したくないなら
しねぇ~よ?(笑)」


「ごめんね?」


「俺こそごめんな?
うっかり忘れてた。
じゃ、終わったらさしよーな?」


「・・・うん・・」


照れた顔すんだよな

もう何回もしてんのにさ


「どんなことしてもい?」


「え?」


「すっごいこと、してもい?」


「ど、どんな・・・こと?」


あはは
大丈夫だよ、エミ

俺が想像できそうなことは
多分
お前全部経験済だと思う


そんなこと
エミには言えね~けど


「冗談、冗談。
いつもの感じが俺は好きだから。
普通にしよーな?」


「うん」

セックスは
できなかったけど

もう
このくらいで大丈夫かな・・・


辛いこと思い出したり
してね~かな・・・



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