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捨て犬
第7章 して欲しくねーよ
俺はコーヒーが好き
だけど
エミはコーヒーが苦手だ
だから
エミがいれるコーヒーも
俺の分、一杯だけ
そのコーヒーを
俺は味わいながら
ゆっくり飲むんだけど
なんでかな・・・・
その間
エミは必ず俺の側に座って
コーヒーカップが
空っぽになるのを待ってる
そして
カップの中が空っぽになると
すぐにカップを台所に持ってって
綺麗に洗うんだ
そうしろって
親とかに
キツく言われてたのかな・・・
「なぁ・・エミ
お前さ、学校どうしてた?」
「中学は・・ちゃんと行った
けど高校は・・・ほとんど行ってない」
「ふ~ん・・」
その時
それ以上のことを
俺は聞かなかった
エミと出会った頃は
悲しい過去を聞くと
エッチなことするの
後ろめたくなるからって理由で
何も聞かなかったけど
今の俺は
ちょっと違う意味で
聞きたくないと思ってる
その理由は
うまく言えないんだけど・・・。
「ごちそうさん」
そう言って
俺がいつものように
コーヒーカップをテーブルに置くと
すぐにエミは
そのカップを握りしめて
台所に行き
いつものように
俺のカップを洗い始めた
全部聞くのがさ
なんか・・・
怖いんだよ