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第18章 発射オーライ

「だ…大丈夫？」

「ん…す…すみませ…ん。」

「救急車でも…」

「涼しいところにいれば…大丈夫…です」

僕は周りを見渡したが、喫茶店も無く、小さな街の駅前はコンビニくらいしか無かったのだ。
コンビニの裏には古いラブホテル街になっていた。

「す…すみません。近くのホテルに…連れて行って貰えますか…」

「え。あ…ああ。は…い。」

僕は彼女を抱えホテルの入り口に入ると、小窓から
「部屋は横のパネルを見て決めて下さい。決まりましたら言って下さい。」
おばさん声がすりガラス越しに言った。

「どこでも…いいですから…」
彼女は辛そうに言った。

僕は適当に部屋番を言うと小窓から鍵を出され
「ごゆっくりどうぞ」
と、声を掛けられた。

彼女を抱えエレベーターに乗り込み、部屋の階に行き部屋を探した。
狭い廊下だった。
どこかの部屋のドアが開く音がしたり、ヒソヒソ声が響いたりしていた。

部屋を見つけドアを開けると、小さな部屋にベッドが部屋いっぱいに置かれていた。

僕は彼女をベッドに寝かせると、その場から去ろうとした。
ちらっと彼女を見ると気分が悪そうで、このまま彼女。置き去りにしていいものかと悩んだ。

エアコンの温度を下げ、小さな冷蔵庫を開けると、ミネラルウオーターが入っていた。
コップにミネラルウオーターを入れ、彼女に渡したが、彼女の手は力なく、コップを落としてしまいそうだったので、僕は彼女を起こし口にコップをつけた。

彼女はゆっくりとミネラルウオーターを三口飲んだ。

「もう少し…飲んで。」
僕はもう一度彼女の口にコップをつけると、一口だけ彼女は飲んだ。