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第19章 今日もあなたを待っています

ワインをついで彼女が戻るのを待っていた。
彼女は急いで戻ってきた。

「おまたせしまして…」

「いや、乾杯しよう。んー、雨に乾杯だ。」
僕は何を言っているんだろうと内心思いながらグラスを当てた。

僕のTシャツを着て前に座り、僕の作ったナポリタンを食べている彼女を見て、彼女は自分の彼女になったような気がした。
こんな可愛い彼女がいたらいいのに…

僕は口下手で気の利いた話しが出来ない。
いつも後になって、ちゃんと、言っておけば良かったと後悔している。でも言わなければならない時に気付かないのだ。いつも後になってから気付くのだった。

彼女は普通に会話をしていた。
僕は彼女の会話に答えるくらいで、全然話しがうまく出来ないのだ。

「半年前にやっていたあの…話題の映画…観たかったの。でももう上映してなくて…」

「もしかして…これ？」
僕は彼女にDVDを見せた。

「そう！これ。アカデミー賞にノミネートされた…恋愛映画だけどアクションとサスペンスがある…この映画はどうだった？」

「まだ観てないんだ。良かったら今から観ようか？」
彼女は一瞬スマホに目をやったが、
「いいの？」
と喜んでいた。

僕は照明を暗くし。彼女とソファに並んで座りテレビ画面を見つめていた。
女性と二人きりでこんなふうに座るなんて何年振りだろう…

僕はテーブルにワインとチーズを置き、ワインを一口飲んだ。
ハリウッド俳優がかっこいい…ダメ男役だがかっこいい…そしてヒロイン役の女優はとにかく綺麗だった。

ちらりと隣に座る彼女もテレビ画面の光に照らされ、とても綺麗な横顔だった。