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掌の官能小説
第22章 今日も嫁に
食欲がなかった。
気力がなかった。

「お義父さん、何も食べて無いじゃない?」

「ああ…食欲が無くて…なぁ、奈々子さん、やっぱりリハビリ施設に行こうと思う。」

「え?あ、そう…至らないところだらけだものね。ごめんなさい。…探して貰うわね。」

「いや、そうじゃないよ。奈々子さんはよくしてくれて…」
嫁は寂しそうな目をしたが、作り笑顔で頷いた。

「見つかるまで精一杯お世話させて下さいね。」
そう言うと、部屋を出て行った。


「.散歩にいきましょう。」
嫁は寒くないように私に薄いダウンジャケットを羽織らせた。
そして、車椅子に私を乗せようと格闘した。
嫁の乳房が顔に触れこのまま掴みたいと思ってしまったが、堪えて涼しい顔をして、腕を使い車椅子に座った。

車椅子に座るだけで重労働だ。

「慣れたらもっとスムーズにできるわね。」

大きく深呼吸をしてから嫁は車椅子を押した。




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