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掌の官能小説
第24章 戸締り用心 
隣の部屋の前を通る度に疼くようになっていた。
飲んで帰って来た時など、思わず隣の部屋の玄関のドアノブを下ろしたくなる。
隣の部屋の前で深呼吸をし、自分の部屋のドアまで理性を保たせる。
なんだかもう、頭が変になりそうだった。

あの日から5日程経つとなんとなく気持ちも落ち着きはじめた。

週末、酔っ払って帰宅すると、ちょうど隣の彼が部屋に入ろうとしていた。
心臓がバクバクと鳴り、股間が脈打ち出した。

「あ、こんばんは。」
彼は爽やかな笑顔を投げかけた。

「あ、こんばんは。今お帰りですか?」
平静を装いながら言った。

「はい。仕事の打ち上げで…少し飲んできて…」

「私も…少し…では、おやすみなさい…」
ドアノブに手をかけたところで

「あの、この間はご迷惑をお掛けしまして…すみませんでした。」
と謝った。

「あ、いや、でも…迫られて…大変でしたよ。ははは。」

「迫られ?私迫りました?」

「お…覚えていないですか?」

「は…はい。私何を?」

「知りたいですか?」

「は…はい。教えて下さい。良かったら、私の部屋に…」

私は彼を部屋に招き入れた。



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