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掌の官能小説
第29章 マイ
仕事の関係で僕は人と待ち合わせをしていた。
待ち合わせ場所は公園だった。主にこういう公園での仕事多いのだが。

相手は少し遅れるとの事で僕は園内を歩いていた。
公園内はいろんな人がいる。
高齢者、家族連れ、恋人、友達、一人
まぁ、色々だ。

目の前には幼稚園児が水筒を持って散歩している。
みんな手を繋ぎ、ちゃんと歩いてる。

「マイ、せんせー、あひるがいるー、ほらっ、」
水鳥を指差し、園児がはしゃぐ。

「マイかぁ。」
僕はそのマイ先生に目をやると、マイだった。

マイ…本名もマイだったんだ。
マイは僕をユウと呼ぶが実の名はユウスケ…
思いつきでお互いにつけた名前なのに…

僕は思わずニヤニヤとしてしまった。
何という偶然。

僕は園児を連れるマイを見つめていた。
マイは園児に注意を払っていて僕には気付いていない。

マイは僕には見せた事の無い無垢な笑顔を園児に向けていた。
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