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掌の官能小説
第29章 マイ
公園でマイを見つけただけで、心が弾みマイを愛しく思えるようになり、実は勘違いだった事が分かると、マイに対して距離を置きたくなるなんて、自分勝手な人間だな、と思いながら、終電に乗って窓に映る自分の姿を見つめていた。

アパートに帰ると同棲中の彼女が起きて待っていた。

こんな勝手な僕を信じて優しくしてくれる。
シャワーを浴びると僕は彼女を優しく抱いた。

いつものように、優しいセックスをする。
マイにするように激しいセックスは一度もしたことは無い。

「私のこと愛してる?」
いつも尋ねてくる。
「勿論愛してるよ。」
いつもと同じように答えると、彼女は僕の腕の中で眠りにつく。

彼女に愛は…多分ない。大切だが愛はない。僕は自己愛のみだ。
愛していたら他の女なんて抱けない。

僕は、暫くマイと会うのを辞めようと思った。


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