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掌の官能小説
第5章 あの日にかえりたい

家には同級生と飲みにいくと言い、家を出た。
俊輔とは駅で落ち合い一緒に電車に乗った。
俊輔は白いセーターにジーパンだった。
靴は革のスリッポンだった。
ボディバッグを背負っていた。
私は黒いアンサンブルセーターに膝丈のプリーツスカート
ローヒールを履き、ニット素材のクラッチバックを持って出掛けたのだった。
何故か俊輔と二人でいても後ろめたさはなかった。
周りからは夫婦に見える?
恋人には…見えないだろうし…
兄妹?ん〜会社関係の仲に見える?
など、いろんな事を想像してしまった。
電車の中では、同級生の卒業後をお互いに語りあっていた。
二人の距離は一気にあの時に戻っていたのだった。
お洒落な居酒屋に着くと、ビールで乾杯をした。
「あの頃はこんなお洒落な居酒屋なんてなかったよね?」
なんて、店内をキョロキョロしながら話していた。
焼き魚を頼むと
「そう言えば季子、魚を取れなかったなぁ。」
私が魚を食べるのが下手なのを覚えてくれていたのだった。
私は嬉かった。
胸がキュンとしていた。
「今もあまり、上手じゃないの。なかなかうまく…」
俊輔は箸でチョイチョイと身を取ってくれた。
「あの時もこうやって取ってくれたよね。」
私は俊輔が取ってくれた魚の身を口に入れ、笑った。
俊輔も笑いながら
「お母さんになってもあの時のままか…」
と、骨を端に寄せていた。
1時間程経つと、好きだったあの頃の話しになっていた。
私の心も記憶と共にタイムスリップしていた。
俊輔もまたタイムスリップしていたようだった。
「なんであの時好きって言ってくれなかった?」
「じぁ、なんであの時、付き合っていた人と別れなかった?」
二人の想いは「あの時」に戻っていたのだった。
「だって何も言ってくれなかったじゃない」
「だって何も言わなかったじゃん!」
話しは平行線だった。
私は思わず涙ぐんでしまい、
「ずっと、俊輔を忘れられなかったの…どうして…どうして…ばかりで…」
「俺だって…俺もずっと季子を…」
私と俊輔は見つめ合い、そのまま唇を付けた。
唇を離すとおでこを私のおでこに付けた。
「行こう!」
俊輔は立ち上がり伝票を持った。
俊輔とは駅で落ち合い一緒に電車に乗った。
俊輔は白いセーターにジーパンだった。
靴は革のスリッポンだった。
ボディバッグを背負っていた。
私は黒いアンサンブルセーターに膝丈のプリーツスカート
ローヒールを履き、ニット素材のクラッチバックを持って出掛けたのだった。
何故か俊輔と二人でいても後ろめたさはなかった。
周りからは夫婦に見える?
恋人には…見えないだろうし…
兄妹?ん〜会社関係の仲に見える?
など、いろんな事を想像してしまった。
電車の中では、同級生の卒業後をお互いに語りあっていた。
二人の距離は一気にあの時に戻っていたのだった。
お洒落な居酒屋に着くと、ビールで乾杯をした。
「あの頃はこんなお洒落な居酒屋なんてなかったよね?」
なんて、店内をキョロキョロしながら話していた。
焼き魚を頼むと
「そう言えば季子、魚を取れなかったなぁ。」
私が魚を食べるのが下手なのを覚えてくれていたのだった。
私は嬉かった。
胸がキュンとしていた。
「今もあまり、上手じゃないの。なかなかうまく…」
俊輔は箸でチョイチョイと身を取ってくれた。
「あの時もこうやって取ってくれたよね。」
私は俊輔が取ってくれた魚の身を口に入れ、笑った。
俊輔も笑いながら
「お母さんになってもあの時のままか…」
と、骨を端に寄せていた。
1時間程経つと、好きだったあの頃の話しになっていた。
私の心も記憶と共にタイムスリップしていた。
俊輔もまたタイムスリップしていたようだった。
「なんであの時好きって言ってくれなかった?」
「じぁ、なんであの時、付き合っていた人と別れなかった?」
二人の想いは「あの時」に戻っていたのだった。
「だって何も言ってくれなかったじゃない」
「だって何も言わなかったじゃん!」
話しは平行線だった。
私は思わず涙ぐんでしまい、
「ずっと、俊輔を忘れられなかったの…どうして…どうして…ばかりで…」
「俺だって…俺もずっと季子を…」
私と俊輔は見つめ合い、そのまま唇を付けた。
唇を離すとおでこを私のおでこに付けた。
「行こう!」
俊輔は立ち上がり伝票を持った。

