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第6章 Blindfold bar

寝不足で会社に着き、私は本日の予定を確認していた。

他の課に用事があり、上の階のフロアに行った。
この課は女性が多く、自分の男ばかりの課とは違い華やかさがあった。

一人の女性が目に入った。
後ろ姿だが、肩までのサラサラな髪の女性で
「ルイさんはあんな感じなんだろうか…」
そして、
「すみません。業務の片瀬さんの席は…」
彼女に尋ねた。

振り返った彼女は、普通な派手では無い顔立ちをし
「はい。片瀬は…」
彼女が近づくとあのルイの香りが漂ってきた。
まさか…私はよくある香水なんだと思いながらも

彼女は私の顔を見ると
「さとちゃん？」
と呟いた。
「え？」
私は聞き返したが
「あ…すみません。知り合いに似ていて…」

そうか…
ルイさんはアイマスクをした私の顔しか知らない
でも、昼間ここで仕事をし、夜は水商売？
まぁ、人はいろいろ事情があるからな…

彼女がルイだと私は確信した。
声も矢張りあのルイだから…

私は嬉しくて堪らなかった。

ここから私はルイと知り合いになれるように工作をした。

彼女の名前は【濱田舞】
私はこの課にいる同期にコンパを頼んだ。

絶対に彼女を連れてくるようにとお願いをしたのだった。

私は彼女に会える喜びに会社が楽しくなっていた。


彼女が参加する飲み会の日が来た。
私は丹念に身だしなみを整えていた。

独身時代に初デートする時に頑張ったように頑張ってみたのだった。
私は仕事終了する時間を待ちに待ち、足早に会社を出て、予約をしていた店の近くのコーヒーショップに入り時間が来るのを待っていた。

そろそろかな…
気持ちを落ち着かせながら店に入ると彼女もちょうど店に入ってきた。
私は一気に緊張をしてしまった。

彼女の隣に座りたかったが、うまくいかずに彼女は壁際の席に座ってしまい、私は通路側の…彼女とは一番遠い席になってしまったのだ。

が…恋のパワーで彼女の隣の席の人が席を立った隙に彼女の隣に座りこんだのだった。

「佐藤といいます。よろしく！」

自己紹介後に私は彼女をジッと見つめてしまっていたようで、
「あ…あの…佐藤…さん？」

「そう。さとちゃんって呼ばれるのが好きなんだ。」

彼女の表情は…

驚きの表情だった。