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掌の官能小説
第7章 踊り子
いつの間にか朝だった。

私が起きると彼女も一緒に起き出した。

「まだ寝ていていいよ。これから仕事だが…行き先見つけとけよ。」

彼女は頷いた。

私はシャワーを浴び、着替えをした。
彼女はずっとカーテンを開け外の景色を眺めていた。


迎えの車が来て私は部屋を出た。
出る前に彼女を見たがずっと外を眺めていた。


礼くらい言えよな…最近の若者は…

エレベーターを降り、迎えの車に乗り私は仕事モードに入り彼女の事は忘れていた。



いろいろと仕事が長引き予定より遅くなってしまった。
夜10時を過ぎていた。

私はコンビニで弁当を買い部屋に戻った。

彼女はいなかった。
当たり前だが…

少しホッとしていた。

コンビニ弁当を開け、テレビを付け私は弁当を食べた。
そしてペットボトルの入ったお茶を飲んだ。

コンビニ弁当を食べ終えた後、今日の分の報告書類整理をしていた。
明日でも良かったのだが、私はその日できることはその日にしたいタイプだったので、少し疲れていたが終わらせたのだった。

私は缶ビールを開け、窓の外を見た。

桜の木は下からライトアップされ、昨日より多くの花が咲き妖艶さ
が出ていた。

よく見ると彼女がまた立っていた。

長袖Tシャツにミニスカートのラフな格好で立っていた。

何度も彼女の前を往復している男がいた。

私は…
放って置けずに部屋から出て、桜の木の前に行った。

「おいっ!こんなところに立ってたらダメだろ?分かるだろ?」
彼女は頷いた。

「泊まるところがなかったのか?」
彼女は首を横に振った。

「友達のところに行く途中に…友達が…彼氏が来るからダメって…ドタキャンされたの。」

そんな奴友達とは言えないし…
最近の若者は軽薄だな

「仕方ないから今夜だけだぞ。明日は俺は帰るんだ。」

彼女は笑顔で頷き、大きなバッグを肩に背負い私の後から付いてきた。



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