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第8章 続・踊り子

私が目を覚ますと既に彼女は起きていた。

「おはよう。何時の間に私寝てしまったのかしら。」

「おはよう。酔いが回り…俺を襲い…」

「え？私…沢田さんを？」

「ははは。冗談だよ。コテッと寝てしまったよ。」

「もう！ビックリした〜。」

「さぁ、御飯を食べに行こう。その前にシャワーを…」

私はトランクから着替えを出しシャワーを浴びに向かった。


そして二人で外に出ると倒れそうな位に暑かった。
近くのレストランで、サルモレッホとトスタを頼んだ。
サルモレッホは冷製トマトスープでトスタはトーストしたパンだ。
イベリコ豚ハムをトスタに乗せ、頬張りながら、今日の予定を相談した。

彼女は祖母を尋ねると言った。
私は近くまで彼女を送り、観光をしようと思っていた。

食事を終えて店を出ると、先程より気温が高くなっていた。
「暑いなぁ…」
「暑いね…」
そんな会話をしながらバスに乗り彼女の母親の実家に向かった。

海に近い彼女の祖母の住む地方に着き、バスを降りるとタクシーで向かった。

祖母の住む家の前に着くと彼女と私ははタクシーを降りた。
タクシーに待つように言い私もタクシーを降りた。

海から吹く風が気持ち良かった。

レストランを経営しているらしかったが、店は閉まっていた。
裏側に周り彼女は
「オラ！」
と言いながら裏口のドアを叩いた。
暫くするとドアが開き、彼女は何か話しをし、女性が出てきて彼女を抱き締めていた。

チラリと彼女は私の方を見た。
女性は泣きながら何かを喋り家の中に案内していた。

すると彼女は私の方に来て、
「一人でホテルに戻れるから…沢田さんは観光を楽しんで。」
そう言い手を振りながら、家のなかに入っていった。

私は心配だったが、彼女はスペイン語を話せるので、私よりも大丈夫だと思った。
私はタクシーに乗り、一人観光を楽しもうとしたが、
矢張り彼女が心配だった。

祖母とちゃんと話せているか…

私は予定より早くホテルに戻り彼女を待っていたのだった。