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第8章 続・踊り子

昼間はあんなに暑かったが夜になると冷えていた。
私は、ワインを飲みながら彼女を待っていた。

すると8時頃だろうか、彼女は、母親の弟に車で送られ戻ってきたのだった。

彼女は部屋に戻ると祖母の事、叔父の事、叔父の奥さん、息子の事を楽しそうに話してくれた。

「ママも一緒に来れたら良かったのに…」
ポツリと言い、泣き出していた。

私は彼女を抱き寄せ頭を撫でる事しか出来ずにいた。
そして気付くと私は彼女の唇に自分の唇を付けていた。

「一緒に来てくれてありがとう。」
彼女は私の唇から自分の唇を離すと言った。

「リカと一緒に来たかったんだ。」

「私も…一緒に来てくれるって知ってから、凄く嬉しかったの。」

「こんなおじさんで良かったのか？」

「こんなおじさんの沢田さんが良かったの。」

お互いに顔を見合わせながら笑い、
ルームサービスで食事を頼み、
二人出逢えた悦びにワインで何度も乾杯しながら、お互いの事を語り合いながらも、いつしか寝入っていたのだった。


朝起きると彼女は既に起きていて、昨日と同じように私はシャワーを浴び、食事を取りに出掛けた。

その後は彼女は叔父が迎えにきて祖母の待つ母親の実家に行った。

私はもう心配はなくなり、スペインの観光を楽しんでいた。


滞在四日目で、翌日は帰らなくてはならなかった。
彼女の実家に私は招かれたのだった。

祖母はどことなく彼女に似ていた。
そして彼女はプロのフラメンコのギター奏者の叔父のギターに合わせ、私に踊りを見せてくれた。

初めて桜の木の下で逢った時の踊りよりも、激しく艶めかしかった。
私に視線を送りながら踊る彼女に私は惹き込まれていたのだった。