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掌の官能小説
第8章 続・踊り子
「私…フラメンコの勉強をしたいの。だから…ここに残る事にする。」

帰り支度をする私に突然彼女が言った。

彼女の言葉に私は愕然とした。
彼女を応援はしたい。
だが、容易に会えなくなってしまう。

だが、私も大人。
笑いながら、
「頑張れよ。」
と言うしか出来なかったのだった。

「次、休みが取れたらまた来るから。」
私は彼女に言ったが、次にまた来れるかは分からなかった。

彼女は私に抱き着き、
「愛してる」
そう囁いた。



彼女とスペインで別れ、三年が経っていた。
私は仕事が相変わらず忙しく、なかなかまとめての休暇は取れなかった。
彼女とはメールをしたり、電話をしたりと繋がりはあったが
ここ半年はひと月に一度メールの返事をするかしないかになっていた。

仕事以外は妻と子作りで大変だった。
結局体外受精までした。
一度妊娠したが、三か月したら流産したりし、やっと妊娠が安定し、高齢出産になる為、子供の障害検査をし、障害がある事が判明すると子供を堕ろすと妻は言い出し、私は妻と揉めた。

妻に愛情は既に無く、私はもう疲れ果てていた。

お互いにすれ違いの生活を送るようになっていた。
そんな時妻には男が出来、相手は妻子持ちで愛情の妻にバレて修羅場になっていた。

私は妻を責めずに、やり直しは不可能でお互い幸せになる為に離婚をしたのだった。


たまにリカから送られてくるスペインの青い空の画像を見て癒されていた。

彼女のがスペインで頑張っているから私ももう一度頑張れていたのだった。

『彼女に逢いたい。』
私は強く思い、無理やり休暇を取り、スペインに飛んだ。




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