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BLACK WOLF~調教~
第3章 金色
「か、監視って…」

「お前は目を離すと危なっかしい。変な男に騙される可能性は大いにあるし、俺との約束を守るかどうかも怪しい」

悪びれる事もなく、謝罪する事もなく、当たり前と言わんばかりの態度で説明してくれるが、私の頭の中はパニックのまんま。

「案の定、俺が差し向けたスパイとも気づかずに隼人とペラペラ喋りやがって。約束はどうした、約束は」

他の異性と必要以上に会話するなっていうあの約束か。

「しかも、俺の事を"束縛の激しい彼氏だ"とか何とか、隼人に相談したらしいな」

ギロッとこちらを睨む黒埼さんの瞳。


…けど、それは当たってる気がする。

服の事から異性との会話まで制限されて、挙げ句に監視役だとか何とか言って自分の従兄弟をスパイとして送り込むなんて。

「ま、黒埼の名前と権力さえあれば自分の従兄弟をどっかの店にバイトとして潜り込ませるなんて簡単だがね」

どうせお金に物を言わせたのだろう。

私の職場の社長に大金を積んで白石君を雇わせたのだろう。



…駄目だ。

文句の一言でも返してやりたいのに、いろんな事が起こりすぎて頭が付いていかない。

白石君も白石君で何もかも逐一黒埼さんに報告してたなんてっ。


「でも黒兄。舞さんは俺以外のスタッフとは喋って無かったし男性客とも必要以上には喋って無かったし、そこまで目くじら立てて怒る事ないじゃん。俺がしつこく話しかけたって言うのもあるしさぁ」

「ま、今回話したのが俺の従兄弟だったからこれぐらいのお仕置きで済ませてやったんだ。感謝しろ」



感謝…?

何が"これぐらいのお仕置き"よ。

こっちはもうちょっと死ぬとこだったのに。

し、しかも…


潮を吹く瞬間まで見られたって言うのに…。





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