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BLACK WOLF~調教~
第3章 金色
淡々と説明する黒埼さん。

それをフォローするかのように反対側から白石君が…。

「父も黒埼社長…、伯父さんの葬式に出れなかった事は悔やんでました。
父は絶縁した事を悔やんでましたし、大社長になった伯父さんに会いに行くのを躊躇ってました。
そんな時、黒兄が訪ねて来てくれて…。
そこから俺と黒兄は仲良くなったんです」

「く、くろにぃ…?」

「黒埼お兄さん。だから黒兄です。うちの父親は母親の姓を名乗ってたんです。昔は"黒埼"って名前も捨ててしまいたいぐらいに嫌だったみたいで…」


…黒埼さんほどのお金持ちになると親族や身内の中でもいろんな揉め事が出て来るのだろう。

別にその事を突っ込むつもりも聞くつもりもないけど…。



「で、でもどうして…?偶然働いてる職場に黒埼さんの身内がいるなんて…」



日本の人口で考えてもそれって何億分の一の確率じゃない?

それに、黒埼さんみたいな大金持ちの身内なら何もあんなファーストフード店で働かなくても。



「偶然じゃない。隼人は俺が雇ったスパイだ」

「は?スパイ?」



すると、白石君の目は私から離されて宙を泳いでいた。

自分は悪くない、関係ないと言わんばかりに。


「ど、どういう事ですか?」

「お前があの店で働くとわかった時から、どうにとこうにも心配だったんで隼人をあの店で働かせたんだ。
お前の監視役として、な」







は…?

はぁ…?

はぁっ!?






「な、な、なななな…」

わなわなと震えながら黒埼さんと白石君を交互に見つめた。

白石君はバツの悪そうな表情を浮かべて立ち尽くしているが、黒埼さんは近くの椅子にドカッと腰を下ろして腕を組み足を組ませて悪びれる様子もない。


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