この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
M
第3章 変わる景色
ホテルのベッドの上で、朝を迎えた。

前田課長は、奥さんに連絡したんだろうか?
昨晩わたしがシャワーを浴びている間に、メールくらいしたのかもしれない。

和俊から着信があった。
けど、さすがにこの状況でかけ直すことはできない。


「水本…ごめん、なんか」

前田課長の遠慮がちな声がする。

「えっ、いえ!あの…わたしこそ…」

すっかり酔いは冷めている。
しどろもどろで返事をした。


2人とも仰向けになっていて、カラオケのときと同じように手を繋いでいた。布団の中で。
わたしが右手、前田課長が左手。


カラオケで手を重ねてきたのは前田課長だ。
でも、それを拒まず、一緒に部屋を出るように言ったのは亜沙子。
だから、これは亜沙子の罪だと、自分で自覚している。

「あの、本当にごめんなさい。わたし、やっぱり酔ってたみたいです」

早口で言い訳じみたことを言うと、グイッと手を引っ張られ、向かい合うようなかっこうになった。

「酔ってても、酔ってなくてもどっちでもいいよ」

亜沙子のアタマが前田課長の胸元に抱き寄せられる。


「えーと…朝帰りになっちゃいますね。
奥さん、平気…じゃないですよね…」
「だから、いいの。
水本は心配しなくていいから」

髪の毛を撫でられ、その優しい手の動きに、なんだかうっとりしてしまう。


「水本こそ、大丈夫?」
「わたしは、全然」


なにが「全然」なんだろう。
和俊がいるんだから、これはれっきとした浮気だ。


「もうすぐ、6時になる。
そしたら、帰ろう」

抱きしめる手に力が込められる。
亜沙子も、ぎゅっと前田課長にしがみついた。


身体が離れるのが、素直に寂しい。
名残惜しい。


「俺がこんなこと言うのは間違ってるけど…」

前田課長が口を開く。

「また、会えるかな、2人で」



だめだ。
前田課長には奥さんがいる。
確か、まだ小さい2人のお子さんもいる。

わたしにも、和俊がいる


だめだ。


けれど、亜沙子はハッキリと言った。
「わたしも、また、会いたいです」
/80ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ