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第10章 在るべきところ
久しぶりに家族で過ごした。
この春から幼稚園に通い始めたさやは、最近覚えた歌を聴かせてくれる。
年長の海斗は、また一段と身長が伸びた気がする。
2人ともよくしゃべる。
「パパ、パパ」と、ずっと俺の周りをついて回る。
そんな2人を見ていると、心から申し訳ない気持ちになる。
もちろん、美加にも。
何も知らない美加。
いつもと変わらない美加。
穏やかな時間が過ぎる。
俺の居場所は、ここにあるんだとわかっている。
「今夜は祐介の好きなカレーライス!」と美加が言う。
子どもたちもカレーだカレーだと喜んでいる。
俺が帰ってからずっとハイテンションだった子どもたちは9時前には寝てしまった。
寝かしつけが終わった美加が戻ってくる。
「変わったことはなかった?」聞きながら、隣に腰を下ろす。
「別にないなぁ」
「ちゃんとごはん食べてる?遅刻したりしてない?」
「まるで母親だなぁ」
「やめてよ」と言いながら美加の頭が俺の肩に乗る。
ふわりと、シャンプーの香り。
肩を抱き寄せる。水本の顔が思い浮かぶ。
振り払うように、美加にキスをした。
この春から幼稚園に通い始めたさやは、最近覚えた歌を聴かせてくれる。
年長の海斗は、また一段と身長が伸びた気がする。
2人ともよくしゃべる。
「パパ、パパ」と、ずっと俺の周りをついて回る。
そんな2人を見ていると、心から申し訳ない気持ちになる。
もちろん、美加にも。
何も知らない美加。
いつもと変わらない美加。
穏やかな時間が過ぎる。
俺の居場所は、ここにあるんだとわかっている。
「今夜は祐介の好きなカレーライス!」と美加が言う。
子どもたちもカレーだカレーだと喜んでいる。
俺が帰ってからずっとハイテンションだった子どもたちは9時前には寝てしまった。
寝かしつけが終わった美加が戻ってくる。
「変わったことはなかった?」聞きながら、隣に腰を下ろす。
「別にないなぁ」
「ちゃんとごはん食べてる?遅刻したりしてない?」
「まるで母親だなぁ」
「やめてよ」と言いながら美加の頭が俺の肩に乗る。
ふわりと、シャンプーの香り。
肩を抱き寄せる。水本の顔が思い浮かぶ。
振り払うように、美加にキスをした。