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第11章 忘年会
わたしを抱きしめる腕の力が、弱くなる。

「まだ全然酔ってない?」
「そうですね…酔ってないです」
「じゃあ、飲み直そうか」

そう言うと、わたしの手を引いて歩き出す。
ビルの狭い階段を昇ったところにある、雰囲気のいいバーへ連れて行ってくれた。


2人で小さく乾杯する。
甘いお酒は喉の奥に絡まりながら身体に沁みていく。

前田課長と話していると楽しい。
セックスだけで繋がっているわけじゃないんだと思えて、少し安心する。
一方で、セックスだけと割り切れた関係のほうがいいようにも思える。
心が奪われるほうが、厄介だ。


3杯飲んでお店を出た。
12月の週末の夜、街はまだまだ賑やか。

当たり前のようにホテルへ行き、これから起こることを想像すると、身体がきゅんとなる。


部屋に入ると、すぐに抱きすくめられた。
「こうしたかったんだ」
耳元で囁かれて身体の力が抜けていく。

優しいキスから激しいキスへ。
唇が離れると、2人とも熱い呼吸になっている。

「えっと、シャワー、浴びてきたいです…」
「いいよ、このままで」
また口を塞がれる。

「もうっ、お願いだから、浴びさせて」
胸元を叩くと、諦めたような前田課長の顔。
「早くしてね」とおでこに口づけられる。


少し迷った末、メイクを落とすことにした。
そんなに厚いメイクをしているわせではないけれど、スッピンを見られるのはやっぱり抵抗がある。
それでもメイクを落とさず朝を迎えたあの日、お肌はカピカピになっていた。

熱いシャワーを浴びる。
ここまできたら、もう考えないでいよう。
前田課長のことだけ考えよう。


交代で前田課長が浴室へ行く。
ベッドに腰掛けて待っていると、ガタガタっとサイドテーブルが震えた。


前田課長のスマホが着信を知らせている。
一瞬、びくりとした。
もしかして…もしかして。
ダメだと思いながら、液晶画面に目をやる。


前田 美加


心臓が跳ねた。
奥さんだ、きっと。

見られているような気になり、慌ててベッドに入り込む。

ブルブルブル
ブルブルブル

まだ鳴り止まない。
早く鳴り止んで…。
きっとそんなに長い時間ではない。
長く感じているだけ。


部屋が静かになってから少しして、前田課長が戻ってきた。
布団をすっぽりかぶる亜沙子を見て「寒い?」と尋ねる。
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