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第12章 女子トーク

冷蔵庫から2本目のビールを出して奈央ちゃんに渡す。
ネイリストをしている奈央ちゃんは、明日お休みらしい。
わたしは明日仕事だから、もうお酒はやめとこう。
「和俊くんがいるから、成り立ってるんだよ。きっと」
ゴクリとビールを飲んで、枝豆をつまみながら奈央ちゃんが言う。
「帰る場所があるって、すごーく安心できるし。だから、ちょっと冒険しちゃってるんじゃない?」
「…うん」
和俊ありきの前田課長か…。
そうなのかもしれない。
「まーでも!バレないように、楽しめば?亜沙ちゃんにも少しくらい、そんな奔放なところがあっても良いと思うよ」
「…そうなのかなあ」
「亜沙ちゃんに彼氏がいなくて、その課長さんのこと好き好きって言うなら、わたしも止めるけどね」
紅茶を淹れるために立ち上がる。
「今すぐ、関係を終わらせるつもりはないんでしょ?」
「…ない」
「しかも、和俊くんと別れるつもりもないんでしょ?」
「…ない」
「じゃあ、楽しむくらいの余裕を持てるようにならないと」
今すぐ終わらせるつもり…
…できそうにない。
「絶対にバレないようにすること!
あと、終わらせるときは亜沙ちゃんから終わらせなよ。追いかけられて終わるくらいでちょうど良いんじゃない」
なんという余裕。
紅茶に口をつけながら、奈央ちゃんを見る。
「なに?」
「ううん。なんでもない!奈央ちゃんの意見、ごもっともです」
大袈裟に頭を下げて見せた。
少し間を空けて、奈央ちゃんが真剣な顔をする。
「…亜沙ちゃんは、結婚願望ないの?」
「結婚願望かぁ。あんまり考えたことないなぁ。いつかは…とは思うけど…。奈央ちゃんは?」
「わたし、結婚しようと思って」
「えっ!」
今度はわたしが驚く番だ。
「いつ?いつ?」
ついつい、前のめりになってしまう。
「夏か…秋かな。こないだ、両親に会わせてきた」
「奈央ちゃんが、結婚…」
紅茶をすする。ドキドキしている。
「おめでとう!奈央ちゃんの花嫁さん姿かぁ、泣いちゃうなぁ」
「ふふふ、ありがとう」
笑顔が眩しい。
幸せそうだ。
奈央ちゃんの彼氏の佐山さんはわたしたちより5歳年上で、落ち着いた男の人だ。職業は美容師。
何度か会ったことがある。奈央ちゃんと同じように、わたしを亜沙ちゃんと呼んでくれる。
ネイリストをしている奈央ちゃんは、明日お休みらしい。
わたしは明日仕事だから、もうお酒はやめとこう。
「和俊くんがいるから、成り立ってるんだよ。きっと」
ゴクリとビールを飲んで、枝豆をつまみながら奈央ちゃんが言う。
「帰る場所があるって、すごーく安心できるし。だから、ちょっと冒険しちゃってるんじゃない?」
「…うん」
和俊ありきの前田課長か…。
そうなのかもしれない。
「まーでも!バレないように、楽しめば?亜沙ちゃんにも少しくらい、そんな奔放なところがあっても良いと思うよ」
「…そうなのかなあ」
「亜沙ちゃんに彼氏がいなくて、その課長さんのこと好き好きって言うなら、わたしも止めるけどね」
紅茶を淹れるために立ち上がる。
「今すぐ、関係を終わらせるつもりはないんでしょ?」
「…ない」
「しかも、和俊くんと別れるつもりもないんでしょ?」
「…ない」
「じゃあ、楽しむくらいの余裕を持てるようにならないと」
今すぐ終わらせるつもり…
…できそうにない。
「絶対にバレないようにすること!
あと、終わらせるときは亜沙ちゃんから終わらせなよ。追いかけられて終わるくらいでちょうど良いんじゃない」
なんという余裕。
紅茶に口をつけながら、奈央ちゃんを見る。
「なに?」
「ううん。なんでもない!奈央ちゃんの意見、ごもっともです」
大袈裟に頭を下げて見せた。
少し間を空けて、奈央ちゃんが真剣な顔をする。
「…亜沙ちゃんは、結婚願望ないの?」
「結婚願望かぁ。あんまり考えたことないなぁ。いつかは…とは思うけど…。奈央ちゃんは?」
「わたし、結婚しようと思って」
「えっ!」
今度はわたしが驚く番だ。
「いつ?いつ?」
ついつい、前のめりになってしまう。
「夏か…秋かな。こないだ、両親に会わせてきた」
「奈央ちゃんが、結婚…」
紅茶をすする。ドキドキしている。
「おめでとう!奈央ちゃんの花嫁さん姿かぁ、泣いちゃうなぁ」
「ふふふ、ありがとう」
笑顔が眩しい。
幸せそうだ。
奈央ちゃんの彼氏の佐山さんはわたしたちより5歳年上で、落ち着いた男の人だ。職業は美容師。
何度か会ったことがある。奈央ちゃんと同じように、わたしを亜沙ちゃんと呼んでくれる。

