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第13章 クリスマス
忘年会が終わると、一気に年末モードだ。
仕事も忙しくなる。

けれどその前に、クリスマス。
竹中は「目下遠距離恋愛中の彼女」に何を贈るかで頭を悩ませているらしい。


「その前に、仕事もしっかりしてくれよー」
不備のあった書類を突き返す。
「わっ、すみません」
慌てて書類を取りに来る。


クリスマス。
今年は暦もあまりよくないため、家に帰るのは難しそうだ。
申し訳ない気持ちにもなるが、案外俺のいない生活を楽しんでいるようで…帰れないことを伝えても「まあ、年末年始でいいんじゃない」で終わった。

となると、気になるのは亜沙子。

俺は今更クリスマスではしゃぐような歳でもないが、亜沙子はやはり特別な日と思っているだろう。
男の竹中でもあの調子だ。

彼氏と過ごすんだろうなと思うと、妬けてくる。
そんな自分に苦笑いしてしまう。


プルルップルルッ

内線電話が鳴った。

「はい、一課前田です」
「お疲れ様です、二課水本です」
「…お疲れ様」
「◯◯の渡田さんからお電話です」
「おぉ、ありがとう」

一課と二課の外線電話番号は下一桁しか違わないため、どきどき掛け違えてくる人がいる。
それをたまたま水本が取り次いだらしい。

仕事中のこんな些細なことでも、少し心が弾んでしまう。
俺も竹中とあまり変わらないのかもしれない。

…重症だな。


その日の夕方、出先から帰ってフロアに戻ると、ちょうど亜沙子がコピー機の前にいた。
コピーをとっては、近くのテーブルに並べる。
何かの資料を作っているらしい。

さりげなく、亜沙子の横へ立つ。

「会議用?」
と声をかけると、驚いたように俺を見上げる。
「…はい、来週の」と短く答え、視線をコピー機に戻す。

「今日、予定ある?」
「…えーと、竹中くんの彼女へのプレゼントを一緒に選びに行くことになってまして」
「ふうん」

なんだか面白くない。

耳元に口を近づける。
「早く、また亜沙子をぎゅっとしたいんだけど」

囁くと、さっき以上の驚きの表情。
顔が赤くなっていく。

コピー機が電子音で終了の合図を告げる。
また視線をコピー機に戻すと、ボタンを操作しながら、「…わたしもされたいです」と亜沙子が言った。
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