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第13章 クリスマス
「何ニヤニヤしてんの。彼氏のこと思い出してんの?」

竹中くんの声で我にかえる。

「違うし!」

慌てて否定する。「ふうん」と竹中くんもニヤニヤする。


「いいよなー、水本は、彼氏と近くでさぁ」
唇を尖らせながら、竹中くんが言った。

「遠距離恋愛は、やっぱりさみしい?」
「さみしい」
「さみしいよねぇ、竹中くん特にさみしがり屋だしねぇ」

支払いを済ませ、店を出る。
「ごちそうさまでした」と言うと、「こっちこそ、仕事後に遅くまで悪かったな」とぺこりと頭を下げられた。


明日、仕事が終わったらキミちゃんに会いに行くらしい。
「よろしく伝えてね」
「おう!」


徒歩通勤の竹中くんだけど、もう遅いし、と駅まで並んで歩いてくれる。
その間、ずっと遠距離恋愛がいかにさみしくて、それ故に会ったときはいかにラブラブかを語っていた。

「他に言い寄ってくるヤツがいたらどうしようとか、ないと思うけど浮気とか、ほんと心配!」
という言葉に曖昧に笑って返事をする。

「キミちゃんそんなことしないよ」と言いながら、本当はわかっている。

しなさそうで、そんなことをする女の子なんてきっとたくさんいるんだ。
別に自分を棚にあげるわけじゃないけど。
そしてもちろん、竹中くんにそんなことは口が裂けても言えないけど。



駅に着き、お礼を言って改札を通る。
次の電車まであと10分ある。

暖かい飲み物が飲みが欲しくなって自動販売機に近づいた時、ぽんと頭を叩かれた。

「ひゃっ!」
びっくりして振り返ると、前田課長。

「…えっ、なんで?」
「今、帰り。あっちにいたら、亜沙子が見えたから」

反対側のホームを指差す。
ふわりと笑って、頭を撫でられた。
そうされると動けなくなってしまう。

時計を見ると、22時45分だ。

「遅くまで、お疲れ様です」
「明日早く帰るために、がんばった」

そんなことを言われ、胸がドキドキする。
何か言わなきゃと思って「ありがとうございます」と答えた。



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