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第13章 クリスマス
お昼ごはんは、安永さんと中本さんと近くの定食屋さんへ行った。

中本さんは35歳で、結婚して、子どもがひとり。
3人でランチは久しぶりだった。

食べ終わったころスマホを見ると、前田課長からのメールに気づく。


早く終わりそう?
俺は18時頃かな。

読んでいると、安永さんがまた茶化す。

「亜沙ちゃん、彼氏だなー!」
「…違いますって」
「ほんとー?なんか、口元緩んでる」

安永さんはいつも鋭い。
中本さんもニヤニヤしている。

「いいなー若いって!結婚したら、もうそんなドキドキとかなくなっちゃうからなー」
大袈裟にため息をつく中本さん。
「えーそうなんですかー?」と安永さん。

安永さんは最近、「結婚」をだいぶ意識しているらしい。

ふたりがあーだこーだと盛り上がっている間に、前田課長に返信する。


わたしも、18時までにはと思ってます。
中本さんも安永さんも早く帰るみたいなので大丈夫そうです。


送信画面が切り替わり時間を見ると、もう昼休みも終わりが近い。
3人で慌てて店を出て、会社に戻った。



午後はあっという間だった。
ラッキーなことに面倒な案件も入らず、スムーズに仕事が進む。
17時に定時を告げるチャイムが鳴り、17時半に中本さんと安永さんが帰って行った。
ふたりを見送ってから、カップを洗うために給湯室へ行く。
廊下に出たところで前田課長と鉢合わせた。

「もう終わりそう?」
「はい、これ洗ったら」

どうも社内で前田課長とふたりになるとぎこちなくなる。
あまり目も合わせられない。
そそくさと給湯室へ入ると、前田課長もついてくる。

ふたりがやっと入れるくらいの広さの給湯室。
まさかついてくるとは思ってもなくて、また身構えてしまう。

「亜沙子は紅茶派なんだね」と言われ、頷く。
「コーヒーも飲めるんですけど、自分で選ぶなら紅茶です」
「うん、コーヒーより紅茶って感じ、亜沙子は」

妙に納得の表情の前田課長。

「えーと、じゃあ、あの、わたしお先に失礼します」
ぺこりと頭を下げる。

「うん、俺もすぐ終わらせるから、連絡する」

そう言うと、手首を掴まれ、きゅっと引き寄せられる。
おでこが前田課長の胸に当たる。

「あとでね」
「…はい」

解放され、給湯室を出る。
ロッカーで帰り支度をしてビルを出ると、もう外は真っ暗だ。




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