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* 花音’s short story *
第3章 ◆ episode2 ** 原田 唯 × 鈴木 圭吾 編
私の彼は、とにかく優しい ──。



喧嘩なんて一度もしたことないし、いつも穏やかで、機嫌が悪いところなんて見たところがない。

仕事のストレスだってきっとあると思うんだけど、疲れた顔も見せない。



完璧………完璧過ぎる。


そういう人が恋人で ──。時々考えちゃうんだ。



彼は………私でいいのかな。



未緒にそれとなく相談したら「そんなにノロケないでよ」って笑われるし。

私としては結構本気で悩んでるんだけどな……。


もうすぐクリスマスイブ。

圭吾さんは多忙を極め、ゆっくり会うこともままならない。


今日も仕事終わりに一人、瀬戸さんのお店にやって来た。


「唯ちゃん、いらっしゃい」

「こんばんは」

「今日も圭吾は仕事?」

「はい。仕事が忙しいみたいです」


ビールを注文して、いつものカウンターの席に座る。


しばらく飲んでいると、


「唯ちゃん、最近なんか悩んでる?」


瀬戸さんにズバリ指摘されてしまった。
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