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* 花音’s short story *
第5章 ◆ episode4 ** 瀬戸 美月 × 永瀬 陸 編
今日はクリスマスイブ。
陸と ” 恋人 ” として過ごす初めての……。
だから、特別な1日にしたいんだ。
ずっとずっと心に残るような……そんな1日に ──。
・
・
・
「マジで今日手伝わなくてよかったのか?」
「うん。お兄ちゃんがいいって」
隣を歩く陸はまだ少し気にしてる様子だった。
私たちは私の兄の店でバイトをしていて……。
『お前らイブの日は休んでいいぞ』
お兄ちゃんからそう言われたのは一週間前 ──。
多分……気を使ってくれたんだと思う。
でも私は素直に嬉しい。
こうやってクリスマスイブに陸とデート出来て……。
今日は待ち合わせをして、水族館にやってきた。
平日なのに周りはカップルばかりで、私と陸もそんな風に見えてるのかなと思ったら何だかくすぐったい。
180度水槽に囲われたエスカレーターに乗ると、前に立っているカップルはしっかりと手を繋いでいた。
── 手、繋ぎたいな。
隣にいる陸をチラッと見上げる。
外を歩く時、陸と手を繋いだことはない。
以前、2人で並んで歩いてた時に、手の甲がぶつかって……。
そういう時って流れで繋ぐものだと思うんだけど……。
陸は「悪い」と言って、私と距離を取った。
多分……陸は人前で手を繋いで歩くのが照れ臭いんだと思う。
そう思ったから、自分から手を繋ぐことは出来なくて……拒否されたら悲しいし。
でもね、今日は手を繋ぐ……よりもっとハードル高いことをやろうとしてるんだ。
陸と ” 恋人 ” として過ごす初めての……。
だから、特別な1日にしたいんだ。
ずっとずっと心に残るような……そんな1日に ──。
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「マジで今日手伝わなくてよかったのか?」
「うん。お兄ちゃんがいいって」
隣を歩く陸はまだ少し気にしてる様子だった。
私たちは私の兄の店でバイトをしていて……。
『お前らイブの日は休んでいいぞ』
お兄ちゃんからそう言われたのは一週間前 ──。
多分……気を使ってくれたんだと思う。
でも私は素直に嬉しい。
こうやってクリスマスイブに陸とデート出来て……。
今日は待ち合わせをして、水族館にやってきた。
平日なのに周りはカップルばかりで、私と陸もそんな風に見えてるのかなと思ったら何だかくすぐったい。
180度水槽に囲われたエスカレーターに乗ると、前に立っているカップルはしっかりと手を繋いでいた。
── 手、繋ぎたいな。
隣にいる陸をチラッと見上げる。
外を歩く時、陸と手を繋いだことはない。
以前、2人で並んで歩いてた時に、手の甲がぶつかって……。
そういう時って流れで繋ぐものだと思うんだけど……。
陸は「悪い」と言って、私と距離を取った。
多分……陸は人前で手を繋いで歩くのが照れ臭いんだと思う。
そう思ったから、自分から手を繋ぐことは出来なくて……拒否されたら悲しいし。
でもね、今日は手を繋ぐ……よりもっとハードル高いことをやろうとしてるんだ。