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* 花音’s short story *
第5章 ◆ episode4 ** 瀬戸 美月 × 永瀬 陸 編
「………綺麗だな」


耳元で囁くような声が聞こえた。



「陸……恐くないの?」

「ああ、こうしてればへーき……」


……なんだか、陸が可愛く思えるんですけど!///



ゆっくりと地上に降りていくゴンドラ。


私たちはもう一度、触れるだけのキスをした ──。



「もう帰るぞ」

「もうちょっとだけイルミネーション見ていこうよ」


観覧車を降りて、私たちはイルミネーションで飾られた広場を歩いていた。


「却下」


早足で歩く陸と必死についていく私。

その手は観覧車を降りても繋がれたままだ。



「足りない」

「え?」

「キスだけじゃ足んねーから」

「…………っ!」


想いが溢れて、少し前を歩く陸に伝える。



「陸………大好きだよ」


「知ってる」


陸はそう言っていつもの意地悪な笑みを私に向けた。


fin

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