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恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート
「め…めぐりん。いつの間に来たの?」
蘭はすぐ恵に体を向けた。
「ん~?玄関の鍵開いてたよ。
どっちか閉めるの忘れたでしょ~」
「えっ開いてた?!…私が忘れてたわ…」
「蘭かぁ。珍しいね?
でも、気を付けなきゃ~!
…こんな風に誰かが勝手に入って来る事も
あるんだからさぁ」
恵はそう言うと意味深な目で蘭を見る。
「そうね…気を付けるわ」
「ふふっ。それにしても……
ちょっと、ゆいこ~!」
「うっ?!」
呆けたままの結子に恵が近付き
頬を指で強めにつつく。
「めぐ……痛いよ……」
「いつまでボーッとしてんの~
早く蘭にお礼を言いなさい!」
「…は、い?」
結子はゆっくり返事をするも
恵は腕を組んで笑ってるだけだ。
「蘭は結子の為に体を張って
キスの練習相手になったんだから
お礼を言うのが当たり前でしょ?」
「えっ…」
蘭は結子に分からないように
『何で?』と恵に対して口を動かす。
「ほら~早く言うのよ!
結子は礼儀も持ち合わせてない駄目人間なの?
ほら、早くしな!」
可愛い顔して恵はドSだ。
「あっ……蘭。ありがと……」
「……いいのよ」
恵は満足そうに頷いている。
「よし。じゃ~結子着替えよっか。
…その前に手ぇ洗わせて~」
両手を擦り合わせながら恵は洗面所へ向かった。
リビングに残るのは結子と蘭。
恵のおかげで誤魔化せたなと安堵した蘭が
結子に体を向ける。
「ゆいこりん、この前買った服は?」
「…部屋に掛けてる」
「着替えてらっしゃい」
「うん」
結子はもうキスの事は気にしてない様だ。
リビングを出て行く結子を見送って
蘭は胸に手を当てて深く呼吸する。
ーーーやばかったわ…
「蘭」
リビングの入口に立った恵が
ニヤリと口元を緩めている。
「私~焼肉が食べたいな~(はぁと)」
「っ!……分かったわよ」
「ふふふ…楽しみ~」
「悪い顔になってるわよ」
「良いの。蘭と結子にしか見せないから」
恵は鞄から化粧道具を取り出している。
「彼氏にも見せないの?」
「無駄な事は嫌いって知ってるでしょ?」
そう言って笑う恵を見つめながら
蘭はそれ以上何も言わなかった。
ーーーめぐりんも不器用なのよねぇ。
蘭はポリポリと頬を掻いていた。