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恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート
「お待たせ」
結子が着替えてリビングに入って来た。
「それで良かったわね」
蘭がアゴを触りながらそう言うと
結子は一度自身を見下ろした後
蘭と恵に不安げに視線を動かす。
「やっぱりさぁ…」
「結子!…私のセンスを疑うの?」
恵がわざと低い声を出すと
結子は手を左右に振る。
「いやいや、疑ってなんか…」
「じゃあ大丈夫よねそれで」
「だ、いじょうぶ…」
「良かった~じゃ早速化粧しようね」
恵は可愛い声を出してそう言うと
手際良く化粧をしていく。
しばらくして恵の手が止まった。
「しゅ~りょ~」
「じゃ次は私の番ね。軽く巻くわよ」
蘭が弾力ある泡を手のひらで潰してから
結子の髪に揉み込んでいく。
毛先から15センチ位のところ迄を
アイロンで巻いている様だ。
真っ直ぐな髪が蘭の手によって
どんどん変わっていく。
「よし、出来た。どうかしら?」
そう言われて結子は鏡を見つめる。
「うわ……」
先日のNaturalでの撮影の時と違って
化粧も髪型も控え目だが
結子の良さを輝かせる様な出来だ。
「良い感じね」
「ね~化粧する時いつも
こんな風にすればいいのにぃ~」
蘭と恵が満足そうに言っていると
結子の携帯が鳴って着信を報せる。
画面にはこの一週間よく見た名前。
「もしもし?」
「あっ結子さん。俺ですけど」
「どうしたんですか?」
結子は時計を見つめながら尋ねるが
まだ約束の時間ではなかった。
「それが…そのー…
時間まであと30分ありますけど…
俺楽しみすぎて…もう着いちゃいました」
「えっ!もうですか?!」
結子が驚いた声を出すと
山中は慌てた様に早口で話し出す。
「いやっ俺の事は気にせず
結子さんは準備出来たら降りてきてくだ…」
「もう大丈夫なので降ります!」
「えっ…」
「あ、あと5分待ってて下さい。では!」
結子は電話を切って蘭と恵を見る。
「もう出なきゃ!」
走って部屋へ行き、上着と鞄を持って
玄関から蘭と恵に向かって声を出す。
「いってくるねー」
靴を履いていると蘭と恵が玄関へ来て
同時に声を出した。
「「いってらっしゃい」」
「いってきます!」
結子はバタバタと家を出た。
蘭と恵がニヤリとしてるのも知らずに。