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恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート
家を出て降りて行くと
ハザードを点滅させた車が停まっていて
すぐに山中の車だと分かる。
運転席に座ってる山中が結子に気付き
ドアを開けて車から降りてきた。
「結子さん!」
近付いてきた山中は
シャツに厚手のカーディガンを羽織り
チノパンにブーツスニーカーという
かなりラフな格好をしていた。
「山中さん。こんにちは」
結子の顔から足元までを視線だけで
何往復もしながら山中は黙っている。
ーーー今日の結子さん…バリ可愛い……
「眼鏡掛けてるんですね?」
結子が軽く微笑むと山中は目を伏せて
眼鏡の縁を擦り出した。
「普段は眼鏡なんです。
仕事の時はコンタクトなんですけど…」
「凄くお似合いです」
「ホントッ?!」
「…えぇ、私眼鏡が好きなんで……」
急に大きな声を出した山中を警戒しつつ
結子は自分の好みを告白するが
山中はあまり聞いていない様だった。
ーーー眼鏡好きなんだ……
やべぇ…軽く誉められただけなのに超嬉しい。
「……あ!すみません。
外は寒いんで車乗りましょう」
ーーー結子さんを風邪ひかす訳にはいかん!
そう言うと助手席側のドアを開けて
結子が乗るのを待ってから閉める。
「ありがとうございます」
「いえいえ、当然の事ですよ」
山中はシートベルトを装着しながら
本当に何とでもない様に言って
車をゆっくり発進させた。
「来る途中で暖めてきたんですけど
寒くないですか?」
「はい、平気です」
「寒くても暑くても言って下さいね」
「ふふっ分かりました」
結子が軽く笑ったので
山中はチラッと結子を見る。
ーーー何で笑ったんだろ?
山中の考えを感じ取ったかの様に
結子は飾らずに言葉を出す。
「あっ…山中さんの言ってる事が
お父さんにそっくりで面白くてつい…」
「そう…なんですね」
ーーー結子さんのこういう雰囲気…
やっぱ良いなぁ……
結子は一瞬動きを止めて山中へ顔を向けた。
「そう言えば…どこ行くんですか?」
「んー内緒です!」
「内緒、ですか?」
結子が首を少し傾げるのが山中の視線に入る。
「内緒だとドキドキしません?」
「あぁ、確かに…!」
「だから着いてからのお楽しみで!」
山中は大きく口を開いて
まるで少年の様にイタズラに笑った。