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恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート


7年前ーーー

結子の22歳の誕生日。


付き合って3年が経った彼とこの日
前から興味があった博物館を訪れた。


「結子の行きたい所に連れてくよ」


彼の珍しい言葉が嬉しくて
結子はすぐにデートスポットを検索した。


そして結子の目に留まったのが

恐竜や珍しい動物・生物の化石や模型が
展示されているこの博物館。


「いのちの巡りを見たいの」

「結子らしいね。良いよ、そこにしよう」


結子の提案に彼も乗ってくれた。


「遠くてごめんね」

「大丈夫だよ」


笑って高速道路を飛ばして
ここまで連れて来てくれた彼。


彼も珍しい動物や生物に興味津々で
凄く楽しんでくれていた。

順路に従って館内を進んでいき
一番最後の空間まで見終える。


「ここで最後かな?」
「っぽいね。戻ろっか。
あ、俺ちょっとトイレ…」


彼はお手洗いへ向かう。

待っている間に彼と撮影した
写真や動画を眺めていると
床が揺れ始めた感覚に気付いた。


ーーーえっ……もしかして……地震?


確信に変わる頃にはそれは激しくなり
館内にいる多くの人々を震わせた。

あちこちで飛び交う叫び声
はぐれてしまった誰かの名を呼ぶ声
幼い子の泣き声

その全てが結子の思考を狂わせる。

我こそは先にと走る人々は
眠っていた黒い心を晒していて
見てはいけないものを見てしまったと
結子は体から力が抜けるのを感じた。


ーーー怖いよ……助けて……!


お手洗いの方向を見つめながら
彼が戻ってくるのを待ってみるが
その辺りに彼の姿はない。


ーーー私……ここで……


崩れ落ちる壁や装飾品を見つめながら
悲観的な思考に囚われていると
誰かに声を掛けられた。


「大丈夫ですか?!
ほら俺に掴まって!行きますよ!」


親切な男性が肩を貸してくれて
結子は特に怪我をする事もなく
館内から逃げ出せたのだ。


「ここならもう平気だと思います。
俺も連れを探さないといけないので
もう行きますね」


男性はそう言うと結子から離れていった。


ーーー助かった……


安堵した途端に震え出す体を抱き締め
身を縮ませていると
遠くから聞き覚えある声が近付いてくる。


「ゆいこー!」


彼の声を探して顔を左右に振ると
焦った表情の彼が駆け寄ってきた。


ーーー無事だった……

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