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恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート


「無事で良かった!」


彼に抱き締められると
結子は涙が止められなかった。

そんな結子を彼は黙って
抱き締め続けていた。

落ち着いてから彼を見上げると
彼は苦い顔をしている。


「どう…したの?」

「……俺……」


結子は彼がなぜそんな顔をしてるのか
次に出てくる言葉が
どれほど残酷で受け止め難いものか
まるで見当がつかなかった。


「どこか怪我したの?」

「怪我はしてないよ。
でも俺まじ死ぬかと思った。
結子の事も忘れて必死で逃げたんだ」

「え……」

「結子のとこに戻る余裕はなかった。
何となく結子なら大丈夫って思って……
実際無事だったしね」

「…それはっ」

「それで気付いたんだ。
俺にとって結子の存在はその程度だって。
……だから、ごめん。もう………別れよう」


結子は彼が何を言ってるのか理解出来ずに
茫然と彼の瞳を見つめていた。

自分の涙でよく見えないけれど
彼は涙など流してはいなくて
瞳から伝わるのは彼の本心だけ。


ーーー何それ…助けに来てくれるって
信じてたのに……私馬鹿みたい……!


脳と心が、少しずつ理解していくと
やっと喉から声を出す事が出来た。


「もう好きじゃないの?」
「……分からない」
「私の傍にいてくれないの?」
「……あぁ、もう……」

「っ……!!」


パチンッ!
結子は彼の頬をぶっていた。


「酷いよ!私の事守るって言ったのに!」
「……ごめん」
「結婚しようって言ったのも嘘なの!?」
「……結婚したいと思ったよ……」
「じゃあ、何で?!ねぇ?!」

「結子、ごめん。俺がまだ子供なんだ…
結子より自分を優先したんだよ……
これからもし結婚したとしても俺は…
結子を守っていける自信がない。
本当にごめん……」

「っっ!!」


それから何度も彼をぶっては責めて
結子は涙を流し続けた。

彼は何も言わずに結子を見つめていた。


どれ位の時間が過ぎたのか分からない。

泣き続けて精神的にも肉体的にも
限界が訪れた結子は
いつの間にか気を失っていて
目が覚めた時には病院のベットの上だった。


結子を見つめるのは
父親と恵と蘭の三人だけで
愛しい彼の姿はどこにもない。

結子のお腹に小さな命を残して
彼は結子の前から消えた。

そして小さな命も彼を追う様に
結子から消えていった。

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