この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋愛無双ーレンアイムソウー
第2章 初デート


「結子さん?!」


急に両手で顔を隠した結子に
山中は焦って声を掛ける。


「……か……くて……」
「え?」


声が小さくて聞き取れない。


「は…ずかしくて…」
「え?」


次は聞き取れたが
意味がよく分からない。

結子が手をずらして
目だけを山中へ向ける。


「その…当たってて…
丸裸にされた様で恥ずかしくて…」
「あっ……」


そういう事かと山中は理解する。


ーーー思った通りの人だ。
初めて会ったあの日から結子さんは
俺の心をざわつかせる…


理論よりも感情が勝った瞬間

山中は結子を抱き寄せた。


「やっ……山中さん?」

「すみません。でも少しだけ……」

「えっでも…」

「結子さんの心が少しでも
温まると良いんですけど……」

「っ…………」


結子は黙ったまま手を回して
山中の背中の服を掴む。


ーーー何で今更……


過去の彼との記憶を思い出した時は
苦しいけど涙も出なくて

時が経って振り返る事も
ほとんどなく忘れていたから
涙は出ないのだと

それは長い月日のせいなのだと。


ーーーこのタイミングで
何で涙が出るの…?


「結子さん…」


山中が涙を拭ってくれる。


「この涙と一緒に何もかも
流れていくはずですよ」

「そんなっこと…」


結子は頭を横に振る。


「…そんな事あります。
だって言ったでしょ、
結子さんのマイナス思考を
俺がプラス思考に変えるって。
今がその時です!!」


山中が自信満々に言う。


「思いっきり泣いて下さい。
忘れたい過去は流しても良いんです。
俺が傍にいますから」


そう言って山中は優しく笑い
結子の顔を自分の胸元に押し付けた。

頭を撫でられて
山中の優しさを感じる。

強いけど優しい腕に包まれて
癒される感覚に浸る。


「うぅっ……」


更に溢れる涙は止まる事をしない。


ーーーもう良いんだよね?
貴方と赤ちゃんを
きっと忘れる事は出来ないけど
過去の事だと
たまに振り返る位で良いよね……?


結婚まで意識していた分
結子にとって彼の存在は大きかった。

彼は消えてしまったけれど

最後の言葉を伝えられていたなら
少しは違ったかもしれない。


「さようなら…元気でね」


結子の心と同調するかの様に
空からも雫が零れた。

/87ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ