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恋愛無双ーレンアイムソウー
第3章 レンタル彼氏


別に脅してる訳じゃない。

試してる訳でもない。

こういう時の男の心理を知りたいだけ。


「覚悟……ないです」

「へえー…」


ーーーそんなもんか。
やっぱ現実の男には期待出来んわー。


結子は煙草を地面にグリグリと押し付けた。


ーーーカカシ様なら覚悟決めるけどね…
ん?待てよ…カカシ様は浮気すらしないはず。
はずじゃなくて"絶対"しない!!


ライターを触ってカチカチと音を鳴らす。

イライラを鎮める時の結子の方法。


「じゃー…もう黙っとくしかないんやない?」

「…へ?」


結子の言葉が予想外だったのか
店長が口をポカーンと開けて固まった。


「今回の事は墓場まで持ってくくらいの
覚悟でおらな、黙っとくの無理やと思う。
絶対にバレないようにするならさ。
ま、どちらにしても覚悟は必要なんよ」

「覚悟…」

「過ちを犯したら天罰が下るってね。
むしろ…黙ったまま生きてく方がツラいよ。
言いたい事ぶちまけてスッキリしたら?」


結子は2本目の煙草に火を点けた。

次は店長が地面に煙草を押し付けている。


「俺…どうするかもう少し考えてみます」

「うん、そうしなよ。頑張って」

「話聞いてくれてありがとうございます。
蒼井さんに話せて良かったです」


ほんの少し顔色が良くなっている。


「いやいや、全然お礼なんていーよ。
マウント●ーニアなんて別にいらないよ?」

「……あとで奢ります」

「ふふふ…」


不気味に笑う結子を
怯える様な目で見つめる店長。


「…前から思ってたんですけど
蒼井さんって男らしいですよね」

「は、い?……それは誉めてるの?
それとも堂々と、けなしてるの?」

「勿論、誉め言葉ですよ!」

「ほーう?」


訝しげに視線を送る結子。


「こんな事を女性に相談したら
大抵、サイテーって責められるんすけど
蒼井さんは男性に相談してるような
安心感があるんです」

「言わないだけで内心では思ったよ」

「えっ!」

「でもそれは私の感情だからね。
相談に対しての返答はそういうの無しで
伝えるべきだと思ってるから」

「ほら…男らしいと言うか
カッコいいんですよ、蒼井さんは」

「えー?私は女らしくありたいけど…
見た目はともかく、中身くらいはね」


結子は深い溜め息を吐いた。

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