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第14章 朧夜の春

「さっきも言ったけど。俺は泉夏の事を『はしたない』だなんて、ほんとに思っていない。…もしも万が一、泉夏がそうだったとしても。俺はそんな泉夏も嫌いじゃない」
「…はしたないのが好きって言われても」
いまいち素直に喜べず。
泉夏が微妙な表情をしていれば、補うように秀王は口を開いた。
「俺は泉夏がどんなでも。どんな泉夏でも俺は大好きだ」
面と向かって告げられて、泉夏は赤くなる。
昨日からもう何度言われただろう。
何度も言ってくれた。
でも慣れない。
まだ慣れない。
もっと言って。
慣れるまで。
『好き』って。
『大好き』って。
もっと、もっと、沢山－。