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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
「先生に恋しながらずっと思ってた。『先生に好きなひといないのかな』『先生に恋人はいないのかな』って。一年生の冬に『彼女』はいなくても、でも『好きなひと』はいたかもしれない。一年生の冬には『好きなひと』はいなくても、でも今はいるかもしれない。大好きな人が出来て、付き合っているかもしれない。それどころか、もしかしたら結婚しようとしてたりとか…もう実はしてるんじゃないかって」
-三年間ずっと、ずっと、不安な気持ちを隠しながら片想いしてた。
ようやく想いの通じ合った今夜でさえ、その時の憂いを思い出せば、胸が痛くて堪らなくなる。
今更なのに。
例えそうだったとして、どうにも変えられない過去なのに。
訊いてどうするんだって分かってるのに。
今が幸せならそれでいいのに。
訊くのが怖いけど-でも知りたい自分がいる。
馬鹿みたいに期待してる。
この三年間、誰の事も好きじゃなかったし、誰とも付き合ってなかったって。
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